人間関係が理由の転職

執筆:くらしと給料 運営窓口 / 更新:

人間関係がつらくて転職を考えたけれど、面接で正直に話してよいか迷う。介護の仕事自体は続けたいのに、退職理由を聞かれると説明が難しくなることがあります。

理由を別の話に作り変える必要はありません。「何があったか」と「次の職場で大切にしたいこと」を分け、仕事に関係する事実から整理してみましょう。この記事では、面接で話す内容を短くまとめる方法と、架空の回答例を紹介します。

「人間関係が悪かった」を、具体的な状況へ分ける

人間関係という言葉には、相談しづらい、業務の伝え方が合わない、役割分担が曖昧など、さまざまな状況が含まれます。まずは自分だけのメモに、どの場面で働きづらさを感じたのかを書き出してみてください。

これらは整理のための例です。自分の状況に当てはまらないものを使う必要はありません。また、実際につらい言動を受けた経験を、無理に「自分のコミュニケーション不足だった」と説明する必要もありません。

面接で話す内容を、3つに整理する

1.転職を考えたきっかけ

自分が経験した状況を、仕事との関係が分かる範囲で説明します。「全員が冷たかった」「何もしてくれなかった」と広げるより、何を確認できず、どんな業務で困ったかを整理すると具体的になります。

2.実際に行った対応、または対応が難しかった事情

確認の方法を変えた、上司に相談した、担当範囲の整理を依頼したなど、実際に行ったことがあれば添えます。ただし、相談していないのに「何度も相談した」と書いたり、行っていない改善活動を作ったりしないようにしましょう。

相談が難しかった場合に、実績を埋め合わせる必要はありません。話せる範囲で事情を整理してください。対応した経験があることを、転職理由を説明するための必須条件にはしないでおきましょう。

3.次の職場で確認したいこと

「よい人間関係の職場を希望します」だけでは、どんな働き方を求めるか伝わりにくい場合があります。「業務の相談先が分かる」「申し送りの方法を確認できる」など、自分が大切にしたい仕事の進め方へ言い換えてみます。

香川ハローワークは、面接前に退職理由などを整理し、質問にはありのまま答えて希望を正確に伝えるよう案内しています。参照:香川ハローワーク「面接ワンポイントアドバイス」

面接での回答例

以下はすべて架空の例文です。実際の出来事や相談の有無に合わせて直してください。採用を保証する文章ではありません。

例1:業務の相談先が分かりにくかった場合

前職では、業務について確認したいときに相談先が分からず、仕事を進めにくい場面がありました。担当者に確認する方法を相談しましたが、状況が変わらないこともあり、転職を考えるようになりました。介護の仕事は今後も続けたいと考えており、次の職場では相談や情報共有の方法を理解したうえで、周囲と協力して支援に取り組みたいと思っています。

この例は、相談した経験がある場合のものです。応募先に希望する体制があるかは、求人や面接で確認します。未確認のまま「こちらなら相談しやすいと確信しています」と言い切る必要はありません。

例2:業務分担について認識の違いが続いた場合

前職では、担当業務の分担について職員間で認識が異なり、調整が難しい場面が続きました。自分の担当範囲を確認するようにしていましたが、今後は役割や引き継ぎの方法を共有しながら働ける環境を探したいと考え、転職活動を始めました。これまでの生活支援の経験を生かし、入職後は職場の業務分担を理解して仕事に取り組みたいと考えています。

「自分ばかり仕事をしていた」という結論だけでなく、何に認識の違いがあったかを自分で説明できる内容にします。相手の意図を推測で断定せず、確認できた状況を中心に話しましょう。

例3:詳しい経緯を長く話したくない場合

前職では職場内の関係に悩むことがあり、勤務を続けることが難しいと判断しました。詳しい経緯は個人に関わる部分もあるため、必要な範囲でお伝えできればと思います。今後も介護の仕事に携わりたいと考えており、入職前に業務の相談先や連携方法を確認し、落ち着いて仕事に取り組める環境を探しています。

このように伝えた場合も、追加で質問されることはあります。話せる事実と、詳しく話したくないことを事前に分けておきましょう。必要以上の個人名や、利用者の情報を出さずに説明できる範囲を考えます。

「同じことが起きたらどうしますか」と聞かれたら

どんな状況でも我慢すると約束する必要はありません。自分ができる確認や相談と、一人で判断しないことを具体的に伝えます。

まず、業務上の認識に違いがないか確認します。自分だけでは解決が難しい場合は、職場で決められた相談先へ、起きていることを整理して相談したいと考えています。

これも回答の一例です。自分の経験や、応募先から説明された体制と合う内容にしてください。

避けたいのは、事実を変えることと、相手の人格を決めつけること

事実を簡潔に伝えることと、問題がなかったことにすることは違います。面接で伝えたい中心を決め、仕事に関係する状況と今後の希望をつなげてみましょう。

次の職場で、実際の連携方法を確認する

「人間関係はよいですか」だけでなく、自分が前職で困った場面に対応する質問を用意します。

回答だけで人間関係のすべてが分かるわけではありませんが、働く場面を具体的に考える材料になります。

入職前に確認したい逆質問の例を見る →

書類と面接で、経歴や理由が食い違っていないか確認する

職務経歴書に人間関係の経緯をすべて書き込む必要はありません。応募先に退職理由の記入を求められている場合は、その指定に沿って整理します。書類と面接で、勤務期間や実際に行った対応が食い違っていないかを確認してください。

職務経歴書の書き方・記入例を見る →

編集:くらしと給料(運営:株式会社renewcareer)。参照情報の確認日:2026年10月9日。例文は架空のもので、実在する人物・職場の状況を示すものではありません。