介護職の職務経歴書の書き方・例文
履歴書の職歴欄は書けても、職務経歴書になると「何をどこまで書けばいいのか」と迷うことがあります。介護の仕事では、日々当たり前に行っている支援や申し送りにも、自分の経験を伝える材料があります。
まずは「どこで、いつ、どんな仕事を担当し、何を心がけたか」を勤務先ごとに整理しましょう。この記事では、無料の書類作成ツールの入力欄に沿って、職務要約・担当業務・スキル・自己PRの書き方を紹介します。
履歴書と職務経歴書の違い
履歴書で入退職や資格などの経歴を示し、職務経歴書では担当した仕事や工夫を具体的に説明すると、情報を整理しやすくなります。履歴書の職歴欄をそのまま長くするだけでなく、応募先の仕事につながる経験を補ってみましょう。
ハローワークも、職務経歴書を履歴書では書ききれない具体的な経歴や意欲を伝える書類として案内し、経験や強みを整理するワークブックを公開しています。参照:ハローワーク「履歴書・職務経歴書の書き方」
書く前に、勤務先ごとのメモを作る
- 在籍期間:入職・退職の年月。在職中なら「現在に至る」。
- 勤務先:法人名、施設・事業所名、サービスの種類。
- 雇用形態:正職員、契約職員、パートなど。
- 担当業務:実際に担当した支援、記録、会議、係活動など。
- 役割:担当職員、リーダー、新人への業務説明など、実際に担ったもの。
- 工夫:日々の業務で自分が気をつけたこと、周囲と協力したこと。
記憶が曖昧な年月は、手元の雇用関係の書類などで確認します。同じ法人内での異動は法人での在籍期間を示し、その下に施設・部署ごとの期間と業務を分けると、転職との違いが伝わります。
施設の定員や業務量などの数字は、正確に確認でき、記載して差し支えないものだけにします。利用者の氏名、詳しい病歴、勤務先の内部資料をそのまま載せる必要はありません。
介護経験者の職務経歴書:4つの欄の記入例
以下はすべて、この記事のために作成した架空の記入例です。「2022年4月から2026年3月まで、特別養護老人ホームで正職員として勤務した方」を想定しています。名称・年月・業務・資格は、自分の事実に置き換えてください。
1.職務要約:経験の全体像を短くまとめる
職務要約には、経験したサービスの種類、期間、主な業務を書きます。詳しい説明は次の担当業務欄へ回し、最初に経験の全体像が分かるようにします。
特別養護老人ホームで4年間、介護職員として食事・入浴・排泄などの日常生活の支援、介護記録、申し送りに携わりました。利用者の希望を確認してから支援を行うことと、気づいた変化を職員間で共有することを大切にしてきました。
複数の施設を経験している場合は、主なサービスの種類と、それぞれの経験期間を簡潔にまとめます。同時期に掛け持ちしていた期間を二重に足して、経験年数を長く見せないようにしましょう。
2.勤務先・担当業務:仕事の内容と自分の役割を書く
2022年4月〜2026年3月
社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇(架空)
雇用形態:正職員/職種:介護職員【担当業務】
・食事、入浴、排泄、更衣などの日常生活の支援
・移乗、移動の介助
・介護記録の入力、交代時の申し送り
・レクリエーションの準備と実施補助【業務で心がけたこと】
支援を始める前に利用者へ声をかけ、希望や体調を確認していました。普段と異なる様子に気づいた際は、観察した内容を記録し、担当職員へ報告するようにしていました。
勤務先が複数ある方は、このまとまりを勤務先ごとに作ります。以前と同じ業務は簡潔にし、その職場で新しく経験したことや役割を補うと読みやすくなります。
補助として関わった仕事は「補助」、先輩と一緒に行った仕事はその範囲が分かる表現にします。担当していない計画作成や管理業務まで、自分の実績として書かないようにしましょう。
3.生かせる経験・スキル:応募先と関係するものを選ぶ
・食事、入浴、排泄、移乗の介助経験
・介護ソフトを使用した日々の記録入力
・交代時に、利用者の様子と対応内容を整理して申し送る経験
・利用者の希望を確認しながら支援を進める姿勢
ここは、できることを広く見せるための欄ではありません。求人票の担当業務と自分の経験を照らし合わせ、説明できるものを選びます。資格は取得済みの正式名称と取得年月を確認し、受講中・取得予定の場合は取得済みと区別してください。
4.自己PR:強みを、実際の行動で説明する
私の強みは、確認したことを周囲と共有しながら仕事を進める姿勢です。前職では、申し送りの際に利用者の様子と対応した内容を分けて伝え、曖昧な点はその場で確認するようにしていました。入職後も、まず職場の記録・報告の手順を理解し、利用者の支援が途切れないよう、チームでの情報共有を大切にしていきたいと考えています。
「責任感があります」「協調性があります」だけで終わらず、どの場面でどう行動したかを一つ添えます。数値で示せる成果がなくても構いません。根拠のない「事故をゼロにした」「満足度を大幅に上げた」といった実績を作る必要はありません。
未経験・ブランク・転職回数が多い場合はどう書く?
介護未経験:前職で担当した仕事を書く
介護経験がなくても、別の仕事の経歴は職務経歴書に整理できます。仕事内容を事実に沿って示したうえで、相手の話を聞く、確認して報告する、チームで協力するといった行動を具体的に書きましょう。別職種での経験を、そのまま介護技術があるという説明にはしないようにします。
以下は、販売職から応募する方の架空の職務要約です。
小売店で3年間、接客、レジ対応、商品の陳列を担当しました。お客様からの問い合わせには希望を確認して対応し、自分で判断できない内容は責任者へ確認していました。介護の実務経験はありませんが、相手の話を丁寧に聞く姿勢を生かし、必要な知識と技術を学びながら仕事に取り組みたいと考えています。
職歴自体がない場合は、経歴を作らず、応募先に必要な書類を確認してください。実習やボランティアの経験を書く場合も、雇用されていた職歴とは区別します。
ブランクがある:以前の経験と現在の準備を分ける
過去の在籍期間と業務を正確に書き、現在行っている学び直しや復職準備があれば別に添えます。以前の経験があるからといって、今の手順や機器にもすぐ対応できると決めつける必要はありません。仕事から離れていた期間に行っていない研修や活動を、空白を埋めるために書くのは避けましょう。
転職回数が多い:応募先につながる経験に詳しさを配分する
短期間の勤務を含め、経歴のつながりが分かるように整理します。どの職場も同じ長さで説明する必要はありません。共通業務は短くし、応募先に関係する経験や役割の変化を詳しく書くと、読む人が追いやすくなります。
志望動機と自己PRは、何を変えればいい?
志望動機は「なぜその職場で働きたいか」、自己PRは「自分のどんな経験や強みを生かせるか」を中心にすると書き分けやすくなります。同じ経験を使っても構いませんが、文章を丸ごと繰り返すより、伝える役割を分けてみましょう。
提出前に、PDFで確認する
- 氏名、在籍年月、資格が履歴書と一致しているか。
- 法人名・施設名・サービスの種類に誤りがないか。
- 担当業務と補助業務、自分の成果とチームの成果を区別できているか。
- 利用者や前職のお客様など、第三者の個人情報が入っていないか。
- 架空の例文の名称や年月が残っていないか。
- 改ページで見出しだけが取り残されたり、文字が切れたりしていないか。
- 応募先が指定する形式・枚数・提出方法に合っているか。
文章が多い場合は、文字を小さくして詰め込む前に、重複した説明を整理します。スマホで作った場合も、保存したPDFを開いて全ページを確認してから提出しましょう。
編集:くらしと給料(運営:株式会社renewcareer)。参照情報の確認日:2026年10月9日。記入例は架空のもので、実在の人物・施設の経歴ではありません。