給与が理由の転職
給与を上げたいと思って転職を考えたけれど、面接でそのまま伝えてよいか迷うことがあります。収入の希望を話すと、仕事への意欲がないと思われないか心配になる方もいるかもしれません。
給与を重視していることを隠し、別の理由を作る必要はありません。今の状況、希望する給与条件、応募先で生かしたい経験を分けて整理すると、具体的に説明しやすくなります。
「給与が理由」の中身を整理する
給与への希望にも、いくつかの方向があります。自分が変えたいことに近いものを書き出してみましょう。
- 毎月の収入を増やしたい。
- 夜勤や残業の回数で収入が大きく変わるため、固定の給与部分を重視したい。
- 担当業務や資格・経験が、どのように給与へ反映されるか知りたい。
- 今後の昇給や役割の変化について、見通しを持ちたい。
「もっと欲しい」だけで終わらず、何を変えたいのかまで整理します。家庭の支出などを必要以上に細かく説明するより、勤務条件として何を希望するかを明確にしてみましょう。
現職の給与を、同じ基準で説明できるようにする
希望額を話す前に、現在の給与について次の点を確かめます。給与明細などで確認できた金額と、今後の見込みは分けてください。
- 月給は額面か手取りか。
- 基本給と、自分に支給される固定手当の合計。
- 夜勤何回分、残業代、通勤費が含まれるか。
- 年収に含めた賞与は、実績か仮定か。
夜勤の多かった月だけを普段の月給として話したり、手取り額と求人の額面月給をそのまま比べたりすると、説明がずれることがあります。金額と一緒に、その条件もメモしましょう。
面接では「現状・希望・経験」をつなげる
次の3つを一つずつ書くと、話の順番を整理できます。
- 現状:給与のどの点を変えたいのか。
- 希望:どの条件を確認・相談したいのか。
- 経験:応募先の業務で生かせる、実際の経験は何か。
香川ハローワークも、面接前に退職理由などを整理し、質問にはありのまま答えて希望を正確に伝えるよう案内しています。参照:香川ハローワーク「面接ワンポイントアドバイス」
給与の希望を伝えるために、行っていない業務や持っていない資格を加える必要はありません。仕事への関心も、実際に求人や見学で確認した内容から考えましょう。
給与が理由の転職を伝える例文
以下はすべて架空の回答例です。応募先の制度や採用実績を示すものではありません。経験・希望・求人の内容を、自分の事実に合わせて直してください。
例1:収入を増やしたい場合
転職を考えた理由の一つは、今後の生活を見据えて収入を見直したいと考えたことです。前職では介護施設で生活支援と記録業務を担当してきました。求人票でこれまでの経験に関連する業務の募集を拝見し、応募しました。経験を生かして仕事に取り組みたいと考えており、今回の担当業務と、私の条件での給与について確認させていただければと思います。
「経験があるので、この額をもらえるはず」と決めつけず、担当する役割と提示条件を確認する形にしています。募集内容とのつながりは、実際に確認した業務を使ってください。
例2:夜勤回数による収入の変動を小さくしたい場合
現在は夜勤回数によって月の収入が変わるため、今後は基本給と固定手当を含めた給与条件を重視して職場を探しています。これまで担当してきた日常生活の支援や申し送りの経験を生かし、介護の仕事は続けたいと考えています。求人票の月給に含まれる手当と、想定される夜勤回数を確認できますでしょうか。
夜勤をなくしたいのか、回数を一定にしたいのかでも希望は変わります。夜勤ができない場合に、収入を維持するためだけに対応可能と伝えないようにしましょう。
例3:役割と給与の関係を確認したい場合
今後は、担当する役割や経験がどのように給与へ反映されるかを確認したうえで、長く働ける職場を選びたいと考えています。前職では通常の介護業務に加え、新しく入職した職員への業務説明を担当していました。今回の募集で期待される役割と、役割が変わった場合の給与制度について教えていただけますでしょうか。
この例は、実際に新人への業務説明を担当していた場合のものです。補助として関わっていたなら、その範囲が伝わる言い方にします。希望する役職や待遇が、応募先に存在するかも別に確認してください。
希望金額を聞かれたときの伝え方
月額か年額か、額面か手取りかを明確にします。夜勤や賞与の前提もそろえて、どの範囲まで相談できるかを伝えましょう。
「額面の月給で〇万円程度を希望しています。夜勤は月〇回を想定していますが、手当の内訳と賞与の条件を伺ったうえで、年間の条件も含めて相談したいと考えています」
〇の部分は、自分の希望と勤務可能な範囲に置き換えます。金額がまだ整理できていない場合は、無理に即答せず、提示条件を確認してから回答できるか相談する方法もあります。
「相談できます」と伝える場合も、譲れない条件まで曖昧にする必要はありません。応募前に、守りたい条件と相談できる条件を分けておきましょう。
給与の確認で使える質問
- 「求人票の月給について、基本給と各手当の内訳を教えていただけますか」
- 「私の資格・経験・雇用条件で、支給対象になる手当はどれでしょうか」
- 「賞与の算定基準と、初年度の扱いを確認できますか」
- 「具体的な給与条件は、いつ、どのような形で確認できますか」
その場で回答できない場合は、確認先や回答時期を尋ねます。「検討します」「経験に応じます」という説明は、希望額が確定したという意味ではありません。希望した額と実際に提示された額を分けて残してください。
避けたいのは、金額や実績を大きく見せること
現職の給与、他社からの提示額、担当した業務を実際より大きく伝えないようにしましょう。給与だけを理由に話してはいけないということではなく、確認できる事実と自分の希望を混ぜないことが大切です。
また、前職を「評価してくれない会社だった」と断定するより、どのような役割や給与条件を今後希望しているかを具体的に説明してみてください。
面接前の確認メモ
給与を見直したい理由:
現在の給与と内訳:
実績と見込みの区別:
希望する月額・年額(額面/手取り):
想定する夜勤回数・勤務時間:
生かせる経験:
守りたい条件・相談できる範囲:
応募先へ確認したいこと:
編集:くらしと給料(運営:株式会社renewcareer)。参照情報の確認日:2026年10月9日。例文は架空のもので、採用や希望する給与条件の実現を保証するものではありません。