賞与3か月分はいくら?
求人票に「賞与3か月分」と書かれていたら、月給の3倍を受け取れるのでしょうか。月給が28万円なら84万円、と計算する前に確認したいことがあります。
まず確かめるのは「何円を基準にするか」と「3か月分は年間合計か、1回分か」です。基本給20万円を基準に年間3か月分とする条件なら、計算上の年間賞与は60万円です。月給に含まれるすべての手当が、賞与の計算にも含まれるとは限りません。
「賞与3か月分」の計算に必要な2つの情報
月数で計算する賞与を概算するには、次の情報をそろえます。
- 算定基礎額:賞与を計算するときに使う基準の金額。
- 支給月数:基準の金額の何か月分として計算するか。
算定基礎額が基本給なのか、特定の手当を含む金額なのかは、勤務先の説明や賞与の規程で確認します。「月給」「基本給」「賞与の算定基礎額」を同じものと決めつけず、別々に書き出してみましょう。
賞与の概算額=確認した算定基礎額×支給月数
この式は、その金額と月数を単純に掛ける条件の場合のものです。評価や在籍期間などによる調整があれば、実際の算定方法に合わせる必要があります。
月給28万円でも、賞与が84万円とは限らない
以下は架空の給与条件です。介護職の給与相場や、実在の求人を示すものではありません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本給 | 200,000円 |
| 固定手当の合計 | 40,000円 |
| 夜勤手当(月5回分) | 40,000円 |
| 月給の合計 | 280,000円 |
この例で、賞与の算定基礎額が基本給200,000円、支給月数が年間合計3か月と確認できた場合は、次のようになります。
200,000円×3か月=年間600,000円
月給280,000円をそのまま使った840,000円とは、240,000円の差があります。固定手当や夜勤手当が賞与にも含まれるかは、求人の月給だけからは判断できません。
「年2回・計3か月分」は、3か月分を2回ではない
ハローワークの求人入力案内では、賞与の前年度実績がある場合、支給回数と、年間の支給合計月数または金額を入力するよう示されています。回数と月数は別の情報です。参照:ハローワーク「求人情報の入力方法について」賞与欄
「年2回・年間計3か月分」なら、年間の合計が3か月分です。基本給20万円を基準とする例では、年間60万円をさらに2倍して120万円にしないよう注意しましょう。
年2回だからといって、1回当たりが必ず1.5か月分になるとも限りません。夏と冬で分け方が違う場合もあるため、支給時期と各回の扱いを確認します。他の求人サイトの表記も、年間なのか1回分なのかを読み取ってから計算してください。
前年実績と、自分の支給予定を分ける
「前年度実績3か月分」という情報は、前年の実績を示しています。その数字だけで、自分にも同じ額が支給されると確定したことにはなりません。
比較用の試算に使う場合は、「前年実績を当てはめた仮定」と分かるようにメモします。自分の資格・雇用形態・評価・在籍期間などで扱いが変わるかは、応募先に確認しましょう。
転職した初年度は、別に確認する
入職して間もない時期の賞与は、満額で計算してよいか分からないことがあります。次の項目を確認して、年間比較用の数字と、初年度の見込みを分けて考えます。
- それぞれの賞与が対象とする勤務期間。
- 支給対象になる条件。
- 自分の入職予定日では、初回の賞与がどう扱われるか。
- 在籍期間や評価による調整があるか。
「半年働く予定だから、年間賞与の半分」と、自分だけで決めないようにしてください。試用期間がある場合も、その期間の扱いを確認します。まだ金額が分からなければ「未確認」と残し、確定した収入に含めないようにしましょう。
年収へ足すときは、年間賞与を一度だけ加える
先ほどの月給280,000円が12か月変わらず、年間賞与600,000円が支給されると仮定すると、年収の概算は次のとおりです。
280,000円×12か月+600,000円=3,960,000円
残業代・通勤費・臨時の支給は含めていません。税金や社会保険料を引く前の額であり、口座へ振り込まれる合計額ではありません。
シミュレーターの「年間賞与」欄に入力するのは、この例では600,000円です。「3か月」を表す3や、1回分だけの金額を入力しないようにしましょう。年俸などに賞与相当額が含まれる条件では、二重に加えていないかも確認してください。
賞与の月数だけで、求人の順位を決めない
たとえば、算定基礎額18万円で年間3か月分なら54万円、算定基礎額24万円で年間2.5か月分なら60万円です。どちらも架空の条件ですが、月数が少ないほうが金額は高くなる例です。
まず金額に直し、毎月の給与や夜勤回数などと合わせて比べましょう。賞与が未確認の候補は、0円として他の候補より不利に扱うのではなく、確認が必要な項目として残します。
応募先へ確認するときの聞き方
「求人票の賞与3か月分について、計算の基準は基本給でしょうか。それとも手当を含む金額でしょうか」
「記載の3か月分は年間合計という理解でよろしいでしょうか」
「今回の入職予定日と雇用条件では、初年度の賞与はどのように扱われますか」
回答を受けたら、金額だけでなく条件と確認日も残します。その場で回答が得られない場合は、確認できる窓口や時期を聞いておきましょう。
編集:くらしと給料(運営:株式会社renewcareer)。参照情報の確認日:2026年10月9日。計算例の金額・月数は架空のもので、実際の賞与支給額を保証するものではありません。